映画「リトル・ロマンス」

ストーリー

タクシー運転手の父親とパリで二人暮しをしている少年・ダニエルは、記憶力と数学が得意な天才少年で、周りからは「神童」と呼ばれていました。しかしIQの高さが故に友達が出来ず、孤独な日々を送っているのでした。ある日、学校の課外授業で訪れたベルサイユ宮殿で、デニエルは美しい少女ローレンと出会います。彼女は、彼女の母親とその恋人である映画監督ジョージの撮影に付き添ってベルサイユを訪れていたのでした。哲学と数学が得意なローレンは、ダニエルとすぐに仲良くなります。二人は交際を始め、宮殿の庭園でデートをする日々を送っていました。そんなある日、ローレンが突然アメリカに帰国することになってしまいます。ローレンの父が、彼女の母親と映画監督との恋仲に気付き、二人を引き離そうとアメリカに帰ることを決めたのでした。ダニエルとローレンは、この淡い初恋を成就させるべく、一計を案じます。それは庭園で知り合った老人・ジュリアスから聞いた「サンセット・キス」という伝説を実行しようという案でした。サンセット・キスとはベネチアにあるため息の橋の下で日没の瞬間にキスした恋人は永遠の愛を手にするという伝説でした。二人は早速ベネチアに向かうため、ジュリアスの協力を得て必要なお金を手に入れます。そのお金でベネチア行きの電車に乗り込んだ二人でしたが、途中二人の友達であるナタリーに入れた電話をナタリーが聞き間違えてしまい、彼らが誘拐されたということに。二人の小さな逃避行は、パリ警察とベネチア警察を巻き込んだ大騒動になってしまい・・・。

ダイアン・レインのデビュー作である映画「リトル・ロマンス」は、1979年に公開されたアメリカの映画です。アカデミー賞では、オリジナル作曲賞を獲得した作品でもあります。少年と少女の間に芽生えた爽やかな恋を描いた作品で、当時14歳だったダイアン・レインの演技と可愛らしい笑顔が光る映画です。

キャスト

  • テロニアス・ベルナール・・・ダニエル役
  • ダイアン・レイン・・・ローレン役
  • ローレンス・オリヴィエ・・・ジュリアス役
  • アーサー・ヒル・・・リチャード役
  • サリー・ケラーマン・・・ケイ役
  • デヴィッド・デュークス・・・ジョージ役
  • アシュビー・センプル・・・ナタリー役
  • グラハム・フレッチャー=クック・・・ロンデ役
  • アンドリュー・ダンカン・・・ボブ役
  • クローデット・サザーランド・・・ジャネット役
  • ジャック・モーリー・・・ルクレール警部役
  • ブロデリック・クロフォード・・・本人役

スタッフ

  • 監督・・・ジョージ・ロイ・ヒル
  • 製作・・・イヴ・ルッセ・ルアール、ロバート・L・クロウフォード
  • 脚本・・・アラン・バーンズ
  • 原作・・・パトリック・コーヴァン
  • 撮影・・・ピエール・ウィリアム・グレン
  • 音楽・・・ジョルジュ・ドルリュー
  • 編集・・・ウィリアム・H・レイノルズ

感想

いくつになっても「初恋」という言葉の響きには胸がときめきます。それは誰もが経験したことであり、誰もが叶うことなく終ることを知っているからだと思います。この映画は、そんな淡い初恋の想い出を鮮明に思い起こさせてくれます。幼い主人公二人の恋がとても美しくキラキラと輝く宝石のように描かれている作品で、子供の頃の純粋で真っ直ぐな気持ちを思い出します。数学が得意で神童と言われるほど頭のいい主人公の二人でも、本当かどうか分からないジンクスを信じてそれのためにひた走る姿はやはり13歳なんだなと微笑ましくなります。中学生のころ「マンホールを踏むと失恋する」というジンクスがあり、それを信じて一生懸命マンホールを避けて歩いていたのを思い出しました。こういうジンクスって誰が考えるのでしょうね。大人になって冷静に考えると、そんなことで失恋するわけないと分かるのですが、当時は必死で守っていました。大人になるということは「夢」や「希望」や「純真さ」を捨てていくことだと何かの本で読みましたが、正にその通りだと思います。この映画はそんな疲れきった大人の心に、まだ幼かったあの頃の自分や初恋のワクワク感を少しだけ取り戻させてくれる力があります。当時14歳だったダイアン・レインがとてもかわいらしく、ジュリアスが幼い二人の恋を応援したくなる気持ちもよく分かります。ローレンとダニエルに昔の自分を重ねて観てしまい、最後は自然と涙が出ました。私の初恋はこんなに劇的ではなかったですし、相手の男の子の名前も思い出せないほどですが、なんだかとても懐かしい気持ちになりました。心が荒んだときに見てほしい映画です。