映画「ロッキー」

ストーリー

映画「ロッキー」はシルヴェスター・スタローンの名を世に知らしめた彼の代表作の一つです。低予算で作られた映画で、上映館も少ない中での公開でしたが次第に評判を呼び、第49回アカデミー賞作品賞、第34回ゴールデングローブ賞ドラマ作品賞など国内外で様々な賞を受賞しました。

三流ボクサーのロッキー・バルモアはボクシングによる賞金だけでは生活していくことが出来ず、知人の高利貸しの取立人として日銭を稼ぐというヤクザのような生活を送っていました。素質はあるのに大した努力もせず、所属するボクシングジムのトレーナーであるミッキーからもその落ちぶれように愛想を尽かされて追い出されてしまいます。そんな自堕落な生活を送るロッキーにも生き甲斐がありました。近所のペットショップで働くエイドリアンの存在です。ロッキーの親友ポーリーの妹であるエイドリアンに、ロッキーは恋心を抱いていました。毎日ペットショップへ足を運んではエイドリアンに話しかけるものの、内気で人見知りな彼女は中々打ち解けてくれません。しかしロッキーの努力は少しずつ実り、二人は不器用ながらも距離を縮めていくのでした。そんなある日、建国200年のイベントの一環として開催される世界ヘビー級タイトルマッチで、世界チャンピオンであるアポロ・クリードの対戦相手が負傷してしまいます。プロモーターらは代役探しに奔走しますが、そんな時ポアロが「全くの無名選手と戦うというのはどうだ?」とアイデアを出します。無名選手にアメリカン・ドリームを体現させることで世間の注目を集め、自身の懐の深さを知らしめようとしていたのでした。そしてアポロは「イタリアの種馬」というユニークなニックネームを持つロッキーを対戦相手に指名します。ロッキーは、実力の差が歴然としていることや自分がサウスポーであることから申し出を断りますが、人気獲得のため、何としても試合を開催したいアポロは、強引に試合の開催を決定します。弱気になるロッキーに、親友のポーリーがスポンサーに名乗り出てくれ、マネージャーにはミッキーが名乗りを上げてくれました。そしてエイドリアンはロッキーに彼が孤独ではないことを教えてくれるのでした。こうしてロッキーの過酷な闘いが始まります。今まで経験したこともないような厳しい訓練を耐え抜き、ついに試合前夜の夜を向かえます。ロッキーは「絶対に勝てない」と弱音を吐きますが「もし最終15ラウンドまでリングの上に立っていられたら、自分がただのゴロツキではないことが証明できる。」とつぶやくのでした。試合当日、無名のボクサーと史上最強の世界チャンピオンの闘いに、アポロの優勢は明らかと思われていました。しかし、最初のダウンを奪ったのはロッキーでした。予想外の善戦に、会場も異様な盛り上がりを見せ始めます。第14ラウンド、アポロの強烈なパンチを受けたロッキーはダウンします。ミッキーは起き上がらないように指示しますが、ロッキーは昨夜誓ったことを思い出し、再び立ち上がります。両者共に瞼から出血し、汗にまみれた死闘の末、ついに判定に縺れ込みます。結果は、アポロの判定勝ち。試合の結果に喜ぶアポロとは対象的に、ロッキーはただひたすら愛するエイドリアンの名を叫び続けました。熱気に包まれる観客を掻き分けて、エイドリアンはロッキーの元へたどり着きます。二人は幸福な達成感に包まれながら熱い抱擁を交わすのでした。

登場人物

ロッキー・バルボア

ペンシルベニア州・フィラデルフィアの小さなアパートで暮らすボクサー。15歳からボクシングを始めましたが、30歳になっても賭けボクシングの賞金だけでは生計を立てられず、闇金融を営むガッツォの元で取立人として働いています。しかし根は優しく、借金を踏み倒そうとする者を責め切れない性格の持ち主です。近所のペットショップで働くエイドリアンに恋心を抱いており、彼女を振り向かせようとしますが、不器用な性格のためいまひとつ想いを伝えきれずにいます。

エイドリアン

ロッキーが通うボクシングジムの近くにあるペットショップで働いている女性です。人見知りが激しく、極端な恥ずかしがり屋のため、男性とはまともに目を見て話すことも出来ません。

ポーリー

エイドリアンの兄でありロッキーの親友です。精肉工場で働いていますがその収入に満足できないらしく、ロッキーにガッツォの元で働かせてくれるように持ち掛けます。自らも冴えない男でありながら、いつまでも一人で暮らす妹のエイドリアンを散々罵倒し、彼女に好意を抱くロッキーを奇異に思いながらも感謝しています。

ミッキー

ロッキーが通うボクシングジムの経営者です。1920年代初頭にはバンダム級の世界チャンピオンとして活躍した経歴を持ちます。自身のジムで10年前にロッキーと出会いボクシングを教えますが、結果を出せないうえに自堕落な生活を送る彼に業を煮やし「お前は傷んだトマトだ」と罵って育成を放棄してしまいます。

アポロ・クリード

現在の世界ヘビー級チャンピオンで、口が悪いのですが実力は本物です。自分の知名度を上げるため、無名のボクサーにチャンピオンへの挑戦権を与えようと発案します。

キャスト

  • ロッキー・バルボア・・・シルヴェスター・スタローン
  • エイドリアン・・・タリア・シャイア
  • ポーリー・・・バート・ヤング
  • ミッキー・・・バージェス・メレディス
  • アポロ・クリード・・・カール・ウェザース

スタッフ

  • 監督・・・ジョン・G・アヴィルドセン
  • 脚本・・・シルヴェスター・スタローン
  • 製作・・・アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ
  • 製作総指揮・・・ジーン・カークウッド
  • 音楽・・・ビル・コンティ
  • 撮影・・・ジェームズ・グレイブ
  • 編集・・・リチャード・ハルシー、スコット・コンラッド

受賞

  • アカデミー賞作品賞
  • アカデミー賞監督賞
  • アカデミー賞編集賞
  • 全米映画歴史研究家協会賞最優秀主演男優賞
  • ダビッド・ディ・ドナテロ賞外国映画部門最優秀男優演技賞
  • ゴールデングローブ賞作品賞
  • ニューヨーク映画批評家協会賞助演女優賞
  • ロサンゼルス映画批評家協会賞作品賞
  • 日本アカデミー賞最優秀外国作品賞
  • ブルーリボン賞外国作品賞

感想

ロッキーは私が生まれる10年以上前の作品です。私が初めてロッキーを観たのは多分中学生くらいのときで、テレビで放送されているのを何の気なしに見ていたのだと思います。もちろんロッキーという映画の名前は知っていましたし、ロッキーがロードワークで階段を駆け上るシーンや、生卵を丸呑みするシーン、吊るされている牛肉をサンドバッグ替わりにするシーン、「エイドリアーン!!」のシーンなど、有名なシーンが多数あることも知っていました。ですが、物語の序盤にはそれらのシーンはなく、シャイなロッキーとさらにシャイでそんなに可愛くないエイドリアンのもどかしい恋の様子が描かれていて、予想とは違うロッキーに逆に夢中になってしまったのでした。そして物語の中盤から終盤にかけてはロッキーを心から応援している自分に気付き、エイドリアンも段々可愛く見えてくるから不思議です。最後のシーンはテレビなどで幾度となく見たことがあるにも関わらず泣いてしまいました。この頃のスタローンは本当にカッコいいですね。今でも筋肉は凄いですが、顔はやっぱり老けてしまっていますよね。エイドリアン役のタリア・シャイアも現在の姿を見てビックリしてしまいました。でもフランシス・コッポラ監督の妹で、ニコラス・ケイジの叔母であると知り納得。美しかった頃の映像が後世に語り継がれるほどの名作であるというのは、女優さんにとっては大変なことなのかもしれませんね。ともあれ、この映画は名作といわれているだけあってとても面白いので、未見の方はぜひ一度ご覧になってください。